冬物語

ばいばい。と…



「……」

なんでこんなにもゆっくり歩いてるんだろ…


レイは追いかけてこないのに。
そんなことわかってるはずなのに。
それをあたしはどこかで
期待してるんだ…


くるわけない。
そんなの知ってる。
だけど歩くスピードは
ほんとにゆっくりで…

そしてまたわかる。


自分は今、一人なんだって…



レイはサッカー。
きっとマネージャーさんと一緒に
さっきみたいに笑ってる。
だからレイはこない。


あたしはそう自分に言い聞かせて
ゆっくりと一人の帰り道を歩いた。
< 25 / 186 >

この作品をシェア

pagetop