恋文


『へぇ、照れるんだ』

と思わず昌春の顔がにやつく


『意味わかんないっ!さぃってぇっ』


とあっかんべーを

しながら逃げていく香。



……何やってんだろ、俺。


こんなことやって、

変態みたいじゃん。



……でも、香と会えて嬉しいな。


これからはまた毎日、

香の側にいられるんだ──…



香はくるっと振り向いて

もう一度あっかんべーをした。



昌春は一瞬驚いたが、

すぐに香の後ろ姿に微笑んだ。



『……ほんと、何も変わってないな。香』

そして、ぼそりと


『好きだよ』

と呟いてみた。


すると、昌春は

真っ赤になってしまった。



香と再び出逢った、16歳の春。

俺は、未来に起こることも知らず……



ただ純粋に

香を一生守っていきたいと願った──…
< 53 / 81 >

この作品をシェア

pagetop