俺はキミの生徒




「新聞が掲示された日。

いつも通り接してくれたのはこのクラスのみんなだけだった。


本当に、嬉しかったんだ。

新聞がビリビリに破られてたのを見つけたときは嬉しくて泣きそうだった。


高校生活はあと、2年あります。

それをどうか悔いのないように過ごして下さい。


1番、自由な今だから。

1番、ときめける今だから。


だから、何にも縛られずいっぱい泣いて、いっぱい笑ってください。


みんなの卒業を見ることはできないけど。

でも、心の中でずっと、みんなのこと応援してるから。


だから、どうか、今のまま真っ直ぐな人に育って。

あたしは…それを願ってます」


チャイムが見計らったように鳴った。



「ありがとう、みんな。

最後まで話を聞いてくれて、ありがとう」


柚木ちゃんは最後にそう言って教室を出て行った。


柚木ちゃんが出て行っても誰1人として、言葉を発する人はいなくて。

それどころか立ち上がろうとするヤツもいなかった。



あの新聞の真実を聞いて、

柚木ちゃんの本音を聞いて、


それをどう受け止めればいいのか。


それぞれが答えを探しているような、そんな雰囲気だった。



それは俺も同じだった。

俺は…これからどうするのが正解?


柚木ちゃんにキモチを伝えるのが正しい?

それともこのまま黙って見送るのが正しい?


誰か…答え、教えてくれよ…











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