パパ

「何それ？意味わかんねぇ…」



「でしょ!!本当にムカつく!!ママがちゃんと断った、ってゆーか、追い返したんだけど…流石社長だね、弁護士持ってこられたよ。」



これには、呆れて笑ってしまった。



あっちが、いくら弁護士使ったって、こっちには母親も一応義父になるけど、ちゃんとした父親だっている。



そして何より、当事者であるアタシがママの子供である事を望んでいるんだもん。



こっちの勝利は見えている。


「まー、もし飯坂の子供になっても、直ぐに俺が嫁に貰うしね。」



「だねー。それにもし、アイツの子供になったとしても、お金一杯使って破綻させてやるし。」



「なんか、本当にやりそうで怖いよ…結婚したら、確実に破綻だね。」



「うふふ♪」



アタシがわざとらしい笑みを向けると、「やっぱ、婚約破棄しよっかな…」とか言って、シュウが走り出した。



馬鹿め、シュウがアタシ以外の女の子を好きになれるわけ無いのに。



シュウはアタシにベタ惚れだし、アタシもシュウにベタ惚れだもん。



お似合い夫婦でしょ。



「そーいえばっ!!今日、同じクラスの青山くんに告られたーっ!!」



随分前に行ってしまったシュウに向かって、声を張り上げる。



すると、「嘘!?」とか言って走って戻ってきた。



やっぱりシュウは、アタシが居ない生きていけないんじゃないだろうか？



まぁ、それはアタシも一緒だけどねっ♪