地球最後の24時間
 緊張が歓喜に変わった。その亜紀の姿が愛おしくて胸が一杯になる。

「亜紀……幸せにするから。絶対に幸せにするから」

 華奢な体を抱きしめて顔を寄せると、亜紀の涙が俺の頬に伝わった。

「うん、あたしもマキを幸せにするから」

 そう言うと亜紀は左手を差し出した。

「ね、はめて」

「うん」

 俺は指輪をつまみ上げると、その白くて細い薬指に通した。それは本当に細くて綺麗で… 。

「ねえ……」

「お、おう」

「全然サイズ大きくない?」

「15って言ってなかったっけ?」

「10号でしょ!」

「え……?」

「ひどい、店員さんに指の大きなお嫁さんって思われちゃったよ~」
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