空の少女と海の少年


黒いオーラを放ち始めた春を見て
奈々と陸は焦った


「……は…春?話し聞くわよ。」

「……そ…そうだよ!早く話せって!」

「うん!あのね!第二試練はどんなレー「「ぶっ殺す!」」……。」


また遮られると春は俯いて
食べかけのクロワッサンを
皿の上に静かに置いた

体中から溢れ出る黒いオーラに
能力を封印しているはずなのに
雷を纏い始めた春を見て
奈々と陸は自分の命を優先させる為に
速攻で机の下に潜り込んだ


そんな非常時なのに
まだバトってる2人は
嫌な予感がして背筋が凍り付いた

ゆっくりと振り向く先には
黒い雷を纏い俯く春の姿


「……春?」
「……春ちゃん?」

「朝食くらい仲良く食べようね?」


刃向かうな
逆らうな
これ以上怒らせるな

2人の本能がそう告げる中
春はゆっくりと顔をあげて
にっこりと微笑んだ


「……返事は?」

「「はい!「遅いよ。」


そういって春が微笑むと
海斗と陸はその場に倒れた

何が起こったのか分からない
奈々と陸は顔を見合わせて
机の下から出た


「……春…今何したの?」

「ん?ちょっと首の後ろを叩いただけだよ?ダメでしょ!って。」


ニコニコと微笑む春に
奈々と陸は恐怖を感じた


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