空の少女と海の少年


海の中にいるはずの
海斗を探しながら
春と蓮は海斗の行動を2人に話した


「……そうなの。やっぱり¨海¨である海斗にしか¨海の神殿¨は見えないのかしら。」

「だけどさ、今までそんな事なかったじゃん。やっぱユラに聞くべきだろ。」

「んー……。ユラ達が何かを知ってるなら出てくるよね?だってもう自由に行き来できるんだもん。」


春の言葉に3人は頷いた

もし、海斗が危険な状況にいたとしてら
ユラ達神々はすぐに春達に知らせるはず

知らせがないという事は
海斗は無事だという事


春と奈々と陸は
また海斗を探し始めるが
蓮だけは口元に手を当てて
何かを考えている


……何かが引っ掛かる

¨海の神殿¨
海斗にしか見えないもの

まるで海斗の為だけに
存在しているようだ

でも何故……?


「……ウタ。」


蓮が呟くが、ウタは現れない

蓮は顔を歪めながら
他の神々を呼んでみる


「ユラ、サラ、ミウ、キラ……セラ、ソウ……。」


誰一人として現れない
春達は顔を見合わせた


「どうしてなのよ……?」

「何が起こってんだよ!」

「……海斗が危ないね。」

「え……?」


¨海斗が危ない¨

その言葉に春は目を見開き
拳をぎゅっと握り締め
溢れる不安な気持ちを
吹き飛ばすように
思い切り叫んだ


「海斗ーっ!!」


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