空の少女と海の少年

◇おまけ



‥*KAITO's side*‥


いつからだろう


俺だけを見て

俺だけに笑って

ずっと、俺の隣にいて


そんな我が儘な感情が
胸を渦巻くようになったのは



──春を守ると誓った海
仲間と共に戦うと誓った海

真っ白な砂浜を踏みしめて
俺は春の手を引いて歩いていた



楽園に季節は無い

うるせえ大臣の目を盗んで
久しぶり人間界に降りた

こっちはもう秋だった

髪を撫でる風は少し肌寒く
繋いだ手がより熱く感じる


ふいにギュッと強く握られて
俺は立ち止まって振り返って笑う

ほんのりと紅く染まった頬に
見上げてくる大きな瞳


……やべえ…可愛い……


今すぐ抱き締めたくなるのを
必死で我慢していると春が唇を開いた


「海斗っ。」

「ん?」

「大好きーっ。」


繋いだ手から分かるくらい
心臓が煩くなって
顔に熱が集まってくる


……この天然娘め
分かって言ってんじゃねえよな?


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