スタッカート
「えええぇえええ!?」

ヒナの声がバス乗り場に響く。

ライブの翌日、いつものようにベンチでバスを待っているとき、昨日は無事に帰れたのかとヒナにきかれ、私は正直にあったことを話した。


私が喋るたびにヒナは大きな目をさらに大きく見開いた。

「すごい展開だねえ…」

私はその言葉に対してどう反応していいかわからず、少し間をおいて借りた傘のことを話した。ヒナはトキと同じ学校だ。


「昨日のお礼もしたいし、傘も返したいんだけど、どうすればいいのかわかんなくて…」


「え?そのまま普通に学校に入ればいいじゃん」

何言ってんの、と続けてヒナが言う。私は驚いてつい声が大きくなる。

「え…いやいや。私他校生だし!勝手に入っちゃだめでしょ?」

「え!?高校って勝手に入っちゃ駄目なの?うちの学校、お昼時間とか休み時間とか、普通に全然知らない高校の人とか小さい子供とかおばちゃんとか入ってくるけど…」



どんな高校なの、ヒナ……。



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