スタッカート
久し振りに来たヒナの家は、やっぱり以前来たときと何も変わっていなかった。小さな庭と、二階建ての家。赤いポスト。玄関の横に停められた、ピンク色のヒナの自転車。


私の声から少しの間を置いて、扉の向こうの玄関で物音がした。ガチャリ、と静かに扉が開く。


「…東子ちゃん」

私の名前をかすれた声で呼び、扉から顔を覗かせたのはヒナのお母さん。

変わらない景色とは反対に、ヒナのお母さんの顔は、ぽっちゃりしていた以前とは違ってげっそりと痩せていた。私はそれに驚いてびくっと体を震わせる。



胸さわぎがした。

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