スタッカート
「救うって…私、もう学校に来るなとか言われたし…」

もう会う事もないよ、と付け足して、更に深いため息をついた。
そんな私を、ヒナは笑い飛ばす。

「それはね、違うの。そういう意味じゃないのよ、きっと」

ヒナの言っている意味が分からず、私はヒナの顔を首をかしげて見つめる。

「まあ、私が言うことじゃないし、本人にきいてみたら?」

「だから、もう会うこともないんだってば…私だって、この前音楽室に来たときに「音が死んでる」って言われたことに勝手にキレて…出てってなんて言っちゃったんだよ?」


そう言った私を、ヒナはうんうん、とにやにやしながら頷いて口を開く。



「じゃあ、まず謝りに行かきゃね?」



その声は、何故かとても愉快そうだった。
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