クローバー
ゆっくりと近づいてくるサヤ。
「ちょ、ちょっと待ってよ!私が何したって言うの…」
その瞬間、ヨツバの目の前に剣の切っ先が向けられた。
「何も考えずに死ねばいい。そうすれば全てが終わる」
「……」
何だろうこの感じ。
向けられた切っ先。それよりも鋭い目で見下ろす人。この感覚…この恐怖…一度味わった事がある。
頭の奥底で何かのビジョンが必死に出て来ようとしている。何だろう…忘れていた何かを思い出しそうな…。
「!?」
突然頭痛が襲って来たと思った瞬間、目の前が真っ白になり、ヨツバの脳はあらゆる情報で溢れた。
(セイ…)
ヨツバの意識が一瞬で飛んだ。
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