約束
朝になって、桜井くんにお礼を言ってから、家に行った。

「開いてなかったらまた来いよぉ!」

ドアノブをひねった。

…開いた。

お母さんが開けたのかな。

中に入ると、お母さんが料理している音が聞こえた。

トントントン…

「お母さん、ただいま。」

「あらおかえり。随分かかったのねぇ。お母さん、ずっと待ってたのよ。」

「待ってたって…閉まってたよ?ドア。」
「え!?ごめんね。いつものクセでね。」
「まあいいよ。」

「じゃあ、今まで何処にいたの?」

「え…」

頭に浮かぶ桜井くんの顔。

「べ…別にそこらへんうろうろしてただけだよ?」

「あんまり出歩かない方がいいわよ。最近、ここらへん変な人増えてるらしいわよ。」

「うん分かったぁ。」

私は、眠いと思いながらも制服に着替え、学校に向かった。
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