つま先立ちの恋
私の言葉を黙って聞いていたフー。私が一方的にまくし上げるから口を挟めないのかもしれないけど。


あ、ちょっと酸欠?


私が肩を上下させながら黙り込むと、


「言いたいことはそれで全部か?」


と。呆れるでもなく、ため息をつくでもなく、そう言った。

まだ熱い胸に手をあてながら私は頷く。

フーはゆっくりまばたきをすると、

「前にも言ったと思うが、俺はお前のすることにあれこれ指図するつもりはない」

瞼を持ち上げたフーは、その切れ長の目の端に私を捉えると、ただ一言。


< 313 / 468 >

この作品をシェア

pagetop