姉弟道
*゚。梨湖Side。゚*

モモちゃんと一緒に夕飯を食べ終えると、あたしは後片づけをした。

彼は、リビングでテレビを見ていた。

――泣いてたんだろうな、モモちゃん。

夕飯を食べにきたモモちゃんの赤い目を見た時、あたしはそう思った。

「どうしたの?」

あたしはテレビを見ているモモちゃんに声をかけた。

「ん?」

いつも通り帰ってくるモモちゃんの返事に、あたしはホッと胸をなで下ろした。

「何かあったの?」

あたしがそう聞いたら、
「――石楠花先生、しばらく学校にこれないって」

そう言ったモモちゃんにあたしは洗い物をしていた手を止めた。

「ふーん、何で?」

あたしが聞くと、
「お父さんが倒れたんだって」
と、モモちゃんが答えた。

「…そうなんだ」

詳しいことは聞かないことにした。
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