~天使はふたたび舞い降りる~
あの人は
今にも泣きそうな顔で
教会から出てきた。


今日は、あの人の
愛してた人が結婚した。


力なく歩く後ろ姿を
駆け寄って行って
抱きしめてあげたいと
思った。
でも・・・・・
あの人は私を知らないから・・・・


あの人も
私も
傷だけの人生
孤独で、屈折した・・・・
孤独な人生だから


少しでいいから
家族になりたい


彼と話せたら
命を絶つのを先にのばそう
いつだって死ねるから


雪が視界を悪くさせる


  芳樹・・・・・・
  私に気がついて・・・
  あなたに会いにきたわ


芳樹は一瞬足をとめた。



  あなたに会いにきました・・・・
  どうか私を救ってください


そう祈った。
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