~天使はふたたび舞い降りる~
「お花、飾る花瓶がないよ。」


「とりあえず、バケツに入れてあるよ。」



「お願い、買ってきて!!」


「そうだな。お花せっかくこんなに
きれいなんだから。」



「お願いね。」





それからしばらく亜恋の花は花瓶で
美しく咲いていた。



そして少しづつ元気がなくなって
枯れ出した。
それを見ながら、奈楠が嘆いた。


「花の命って終る時
どうしてこんなに
ボロボロになるのかな。
人間もおんなじなのかな・・・・
私もこの花のように
ボロボロになっちゃうのかな~」



「コラ!!
そんな話するな!!」



「ごめんなさい。
なんか悲しくなって・・・・」




奈楠は最近不安定だった。



俺はその理由も何気に気づいていた。



それから花瓶には美しい花しか
飾らないようにした。
俺は、枯れ始める前に
新しい花束を生けた。
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