~天使はふたたび舞い降りる~
叫び
 中村さんが死んだ・・・


一瞬 気が遠くなった。
死という恐怖は俺にも
現実的だったから・・・・


奈楠の携帯に電話をした。


  出ない


家の電話にかけた



  出ない




「あれ・・・なんで出ない・・・」


俺も一気に不安になった。



何度も何度も
交互に電話をかけた。


 出ない 出ない 出ない・・・・




俺は白一色のフロントガラスから
見える景色の中 
タクシーを飛ばして
家に戻った。





「奈楠!!!」





部屋の中に
奈楠はいなかった




残っていたのは




  ありがとう。
  あなただけを
  永遠に愛しています。





奈楠がもっていかなかった
携帯電話だけ・・・・




俺からの着信も

亜恋からのメールも
奈楠は見ていなかった・・・・



雪が奈楠を隠してしまったから・・・
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