~天使はふたたび舞い降りる~
ここにいる
「俺さ、仕事辞める。」


一瞬静かになった。


「は?お前なんて言った?」
素良がコップを置いた。

「やめようと思うんだ。」

「なんで?」


素良のでかい声に
機嫌のよかった愛恵が
飛び上った。


「ここで待とうと思って。」


「馬鹿か?
おまえ頑張ってきたじゃん。
副店長だろ?
その若さ業界一番の出世だぞ?
女のことで
一生棒に振るのか?
考えられないよ。」




「いろいろ悩んだんだ。」



「ありえねーよ」




素良が怒ったように吐き捨てる。
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