~天使はふたたび舞い降りる~
愛するが故
病室に重いあしを踏み入れた。

奈楠は窓の方に
顔を向けていた。

点滴がもう終わりそうだった。


「点滴終わるぞ。」


奈楠は寝息を立てていた。

ナースコールを押して
一度病室から出た。


なんて話かけたらいい

最初が大事と思えば
プレッシャーにつぶされそうだ。



「いいですよ。」
点滴を終えた看護師が
病室の外にいる俺に
声をかけた。



「雪積もったろう・・・・」


奈楠は一瞬体を固くした。


「具合どうだ?」


奈楠の緊張感が伝わってきた。

俺の鼓動と重なる。



俺は勇気を出して
窓側にイスを置いた。



「奈楠、ひさしぶりだな。」



奈楠は布団を顔まで隠した。
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