~天使はふたたび舞い降りる~
言葉にできない
兄と妹の距離が縮まったような
語らいの時間だった。


「大人になったんだな。」
2歳の頃の奈楠が
なつかしかった。


奈楠の規則的な寝息を聞きながら
リビングを片付けた。

携帯が鳴った。


「もしもし~」
千鶴の声


「どうした?
懐かしい声だな~」


「今ね、ふーと飲んでるんだ~
そしたら急に声が聞きたくなったの~
妹と住んでるんだって?」


「そうなんだ。」

「女連れ込めないじゃん。
おとなしくしてるの?」


「してるよ~
もう欲求不満だよ。」


「めずらしーね。
遊びにいっていい?」


「無理無理~そんな酔っ払い
妹の教育によくない。」


「あら、お兄さんが
どんなに持ててるのか
教えてあげるのに~」


  ちーったら~
隣で歩来の声がした。
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