他人ごと
結局田中は山本には謝らなかった。
今さら謝ったところでどうにもならないと思ったのだろう。 田中には田中の言い分があったのだろう。 結局他人ごとが他人ごとではなくなった。 でもあの時は、真実を語りたくなかった。 山本が傷つくのを見たくなかった。
少しの時間でも山本が傷つくところを見たくなかった。
山本とは何年か経って連絡した。
山本はもう全然気にしていなかった。
お互い、しらない間に大人になっていた。 その時山本が、田中がわざわざ山本の学校に来て謝ったそうだ。 今度3人で会う約束をした。
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