東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
第7話「平成ニッポンはまだ鎖国中みたいで…」
そこはかとない違和感は、実は数日前から少し感じていた。

だけど、それをハッキリと認識したのは2月15日……つまりバレンタインデーの翌朝のことだった。



「ふぅ、間に合った……みんな、good morninng♪」

昨夜は、7年越しの初恋が終わってしまったショックで、カラダとココロを震わせ続けて、結局、夜が明ける頃まで寝つけなかった。

そのせいで寝坊して、遅刻ギリギリで息せき切って2年C組の教室に駆け込んだあたし。

「………」

だけど、誰もあたしにあいさつを返してくれない。

それどころか目も合わせてくれない。


実は数日前から、あいさつを返してくれないコとか、あからさまに目を合わせようとしないコも何人かいたんだけど、その人数が日をおうごとに少しずつ増えてきていた。

なんか様子がヘンだ。

こないだまでとは空気が違う。

「おはよう、チーコ」

「お、おはよ…」

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