鎖を解き放し者
「……行った?」
緑の髪の少女がヒョコリと、近くの木の上から愛くるしい顔をのぞかせ、小言でつぶやく。
フレイは粗袋を肩に担ぎ、軽快な動きでその木のそばに来た。
「行った行った」
そして袋を静かに降ろし、木の上の少女・ウィンに手を伸ばす。
彼女は手慣れたように、その大きい手に小さな手をのせ、スタッと木から降りた。
「さて、“荷”のお披露目といきましょうか」
ウィンは楽しそうに言い、少し解くのに戸惑いながらも袋を縛るかたい紐をほどく。
袋を少しめくると、そこにはしみ一つない白い肌の青年の顔があった。
薄青い色の長い髪を縛りもせず垂らし、高級そうな服を着ている。
『…………』
これを見て、二人は思わず無言で顔を見合わす。
「人間が入ってると思ってたが……」
「まさか、お貴族さまだとわねー」
「ここの連中、とうとう貴族まで誘拐したのかよ」
「そりゃ、“商品”だよね」
二人は、ヒソヒソと言葉を交わしあう。
緑の髪の少女がヒョコリと、近くの木の上から愛くるしい顔をのぞかせ、小言でつぶやく。
フレイは粗袋を肩に担ぎ、軽快な動きでその木のそばに来た。
「行った行った」
そして袋を静かに降ろし、木の上の少女・ウィンに手を伸ばす。
彼女は手慣れたように、その大きい手に小さな手をのせ、スタッと木から降りた。
「さて、“荷”のお披露目といきましょうか」
ウィンは楽しそうに言い、少し解くのに戸惑いながらも袋を縛るかたい紐をほどく。
袋を少しめくると、そこにはしみ一つない白い肌の青年の顔があった。
薄青い色の長い髪を縛りもせず垂らし、高級そうな服を着ている。
『…………』
これを見て、二人は思わず無言で顔を見合わす。
「人間が入ってると思ってたが……」
「まさか、お貴族さまだとわねー」
「ここの連中、とうとう貴族まで誘拐したのかよ」
「そりゃ、“商品”だよね」
二人は、ヒソヒソと言葉を交わしあう。