Butterfly's dream ―自我の境界線―
 ましてや夢の中の瑞樹の両親と違い、瑞樹青年の両親はいたって普通の稼ぎの共働きだ。

 それもあの高齢なら仕方ない、寧ろよく今まで支えたとさえ思う。

 
 だがこの胸の悪さと現実味の無さは何なのだろうか。


 加藤瑞樹という青年は夢という希望と虚栄の中で少女としての感覚に生と自我を見出し死んでいった。

 見出せたのなら彼の、彼女の「生命」と「自我」は意味のある、確かに存在したものだと言えよう。
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