ともだち
二章
夏休みまであと5日。

いつもはぼんやり考えてたカウントダンが、今では憂鬱になる




「来た、来た..」

「うわ〜」


これがハブられたってやつ?




ばちっと涼香と目があった

けど

すぐ目を反らされた


涼香昨日、言ってたじゃん


『奈美はあたしにとって一番の友達だよ』


あまりに呆気なくて、笑えちゃう




「てかさ、自分のテストがいいからってさぁ〜自慢?」

「ウケる〜そんな、できるわけでもないのに

だってあたしの方が点数いいし〜」




はいはい。 勝手に喋っててください


心の中では強がって見せても、

今まで普通に仲が良かった人達にまでに言われると、正直キツイ



由樹も愛華もみくびたしてるように笑う

涼香も誰かとひそひそ話をしている


誰も手を出してこない

ただ見ているだけ。


でも

その、

ただ見ていただけ

それが今になって、どんなに辛いものかを知った。




「おはよ」


「−っおは…よう」

美香の挨拶で涙が引っ込んだ



「うわ〜あの2人お揃〜い」

周りからの声で、あたしはまた悲しくなった


「じゃ、このお揃いのブレスレット買う?」

「えっ?」


美香がいたずらっぽく笑いながら、雑誌を指差す



美香は強い

あたしに勇気をつけさせてくれる



あたしも美香の笑顔につられて、笑った

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