The Last Lie
顔をあげられなかった。最後の嘘をつくだけで限界だった。
俯いたせいで熱くなった目頭から涙がこぼれそうになるのを必死に隠して。
柚杞には“ばいばい”って言ったこと無かった。
別に乙女ぶる訳じゃないけど、なんか暗示になっちゃいそうで一度も口に出さなかった。
またね、とか
気を付けてね、とか
今の私達には無縁だ。次を約束する言葉はいらない。。私達には次はない。
乾いた冷たい風がどんどん広がっていく私と柚杞の間を埋める。
振り返ることはしない。
何にもならないから。
『うまく…笑えてたかな』
きっと柚杞の目には、私の気持ちは冷めたように映ったはず。