鬼畜な俺様執事


朔夜の声。

朔夜の香り。

朔夜の温もり。


「さ……くやっ……」



途切れ途切れに呼んだ名前に、腕に一層力がこもる。



「ごめん……約束したのに。不安にさせないって」



朔夜の、かすれた優しい小さな声。



「綾香……会えて良かった」



朔夜は安堵の溜め息と一緒に、私の頭にキスを落とす。

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