鬼畜な俺様執事


結局、さっきの公園に戻ってきた。



「自己紹介がまだでしたね。

私は九条椿です」



ベンチに座り、彼女はそう言った。



「私は……」



「知ってます。

綾香さん。

朔夜さまのお嬢様……だった方」



最後は私に遠慮したのか、小さく低いトーンで言った。



「椿さんは、どうして朔夜の連絡先を?」



唐突に切り出した私を咎めることなく、彼女は笑った。



「椿、でいいですよ。

そうですね、私は朔夜さまの……


婚約者だったものですから」

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