鬼畜な俺様執事


「岡谷くん。娘の綾香だ」



その一言で彼女は私に向き直り、丁寧に頭を下げた。



「岡谷 悠里(オカヤ ユウリ)と申します。

宜しくお願い致します、綾香様」



落ち着いた、少しハスキーな声で彼女は挨拶をした。



射竦めるような眼差しは、生真面目な印象を私に残した。



「宜しく、岡谷さん」



彼女は軽く頷き、私の後ろに立った。



それは、朔夜との最初の出会いを私に思い出させた。


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