鬼畜な俺様執事


私は単刀直入に訊いた。



「知ってたんでしょ?

朔夜と私が……兄妹だってこと」



岡谷さんは小さく頷いた。



「雇われるときに、旦那様から聞きました。

お嬢様の想い人が本当に橘なのであれば、二人を近づけさせないのが私の仕事でした」



私は涙を拭って言った。



「今更、兄だなんて言われても、

私……諦められないよ……」



岡谷さんはそっと私に近付き、目を伏せながら、落ち着いた声で言った。



「倫理をねじ伏せていい場合もありますよ」


< 320 / 385 >

この作品をシェア

pagetop