鬼畜な俺様執事


「何だ?」



朔夜が優しく、でも少しかたさのある声で言った。



「あのね……

私たち、異母兄妹なんだって……

お父様が……だから交際は認められないって……」


言ってしまった。


顔を見るのが怖い。

反応が怖い。


この心臓の音は、私のものなの?

それとも

朔夜のものなの……?



私の体がカタカタ震える。

それは私の?

それとも、朔夜の……?



朔夜の溜め息が、私の髪にフワリとかかった。


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