ゴール・イン
「相変わらず泣き虫な奴」
そぅ言ってあたしの頬をつねった。
「ほれ、ベンチ行くぞ」
「ぅんっ」
頑張った良輔にしがみ付いて歩いた。
「ありがとな」
何だかホッと安心したみたいな笑顔で言われたその言葉は、
嬉しい。
「うんっ」
わしゃわしゃとあたしの髪をぐしゃぐしゃにする良輔。
「ほんま…サンキューな。」
「入院してたときも何度も来てくれたし、何度も励まされた」
「ありがと」
何だか……
すごい幸せだ。