聞いて、姉貴



──カタン。


何やら物音がして、俺はハッと目を覚ました。



……またあの夢、か。


時々見る、幼い頃の夢。

今と変わらない、太陽みたいな笑顔で笑う姉貴。


…昔に戻りたい。

ふいにそんなことを思う。

恋だの 愛だの まだ知らない自分に戻って。

姉貴じゃない、他の誰かを好きなっていれば──…



…って。


そんな自分、全く想像もつかないけれど。





たぶん……

きっと……


どんなに過去に戻ろうが

何度人生をやり直そうが



俺は姉貴に恋をする運命なんだ。





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