聞いて、姉貴
「…入れよ」
ドアを開け放し、中に入るように促す。
「…う、うん」
俺の顔色を伺うように、遠慮がちに入ってくる姉貴。
…今日に限って、何遠慮なんかしてんだよ。
いつもはノックもしないで図々しく入ってくる癖に。
やけに『女らしい』姉貴に、なんだかむしょーに腹が立った。
「お茶でも入れる?」
俺の言葉に、姉貴は小さく首を振る。
そして、
「…陸、報告があるの」
思いきったように、口を開いた。