カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「私、たまたま通りがかっただけだって、さっき言ったじゃないですか!」


先生、私が生徒を見に体育館に来たって思っているのかな…。


こうやって焦りながら答えると、ますます怪しがられちゃうよね。


「一応、扉開けておくからな。」


先生はコートに戻って行った。


せっかくだから、ちょっと見て行こうかな。


ちょっとだけのつもりが、お昼も食べずにずっと1時間くらい見ていた。


先生、やっぱりかっこいい!


サーブやスパイクを打つと、男子部員からも“おー”って歓声があがるし…。


生徒と一緒になって、プレイしたり、笑ったり。


見ていると、私まで楽しくなる。


生徒と懸命に練習に励む先生の額にはキラキラと汗が輝いていた。



< 93 / 225 >

この作品をシェア

pagetop