チェリーをあげる。

「雛ちゃん…、近いうちに渡の元カノに会いに行かない…?」


「え…?」


「俺さ、君達がヨリを戻すには、まず渡が元カノへの気持ちにちゃんとケリをつけなきゃダメなんじゃないかって思うんだ…」


「はあ…」


「例えば元カノから“私はあなたのことなんてもうなんとも想ってないから”みたく言われれば、渡だって元カノのこと、忘れるしかないと思うんだけど」


「え…?」


「どうかな…?俺らの方からそれを彼女に頼みに行くっていうのは」


「…はい?」




伸さんの提案に私が困惑していると、


敬さんや和さんも「それがいいよ」と言い出した。




「渡だって、元カノが自分のこともう何とも想ってないってわかれば、さっさと過去を葬れるんじゃない?」


「俺もそう思う」


「だよな」




3人にそんなふうに言われた私は、




「…わかりました。じゃあ、そうしますか」




だんだんお酒が回ってきた頭で、言いくるめられるように渡さんの地元行きを決めたのだった。
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