〇●ベリージャム●〇
「うん……知ってたよ……」
私は思わず明日香から目を反らしてしまった。
「ひめ。雅人君が先にバトンとっちゃったよ?」
「うそ。」
“俺を優先的に応援してよ”
さっき雅人君が言っていた言葉が妙に頭から離れない。
「ひめ。雅人君を応援しないの?」
“優先的に”
私はゆっくりと息を吸った。
「………………」
「あっ!!今稜哉君にバトンが渡された!!」
今の明日香の言葉で私は息を吸うのを止めた。