〇●ベリージャム●〇
稜哉
コンコン
俺の部屋のドアをたたく音が聞こえた。
「誰?」
素っ気なく一言で答える。
「姫菜だけど……入ってもいい?」
ビクついたような小さな声で姫菜が言った。
「どうぞ。」
俺は勉強していた手を止めると同時に勉強類を全て片付けた。
「なんかごめんね?勉強の邪魔だった?」
計算されていない姫菜の上目遣いにドキッとした。
それと同時に雅人にもこんなことしているのかと思うとすごく胸が痛んだ。
「別に。っつか勉強飽きてたし。逆に嬉しいんだけど。」
すると姫菜の顔がみるみるうちに少し赤くなっていた。
《姫菜?》
俺はあえて気にしないことにした。
あまりくどく姫菜に関わると逆に嫌われそうな気がしたし……
「んで?姫菜俺に何か用?」
俺は勉強の椅子から立ち上がり姫菜の横に座った。