空の神衣

それでもゆずれない

 謎の敵との戦いから数日後。

 津也は李苑に呼び出されてプラネタリウムに来ていた。

 闇珠は、連れて来ていない。

 一緒に来たがったのだが、思うところがあって残して来たのだ。

 席についてパンフレットを見ていると、横から声がかかる。

「早かったわね」

 黒で固めた服装の李苑がいた。

「いや、俺もさっき来たとこだよ」

 前を向いたまま、津也は目線だけ李苑に向けて素っ気なく言う。

 李苑も意に介さず席につく。

「あの子、連れて来てないのね」

「ああ、来たがったんだけど、置いて来た」

 そんなやりとりの中、照明が落ちる。

 映し出される星を見上げながら、津也は言う。

「いつか一緒に来ようって、話はしていたんだけどな。重苦しい思いばかりさせたくなくてな」

「お優しいこと。まるで恋人みたいね」

 李苑はそっぽを向き、吐き棄てるように言い放つ。

「あながち外れてもいないんだがな。闇珠は俺にとって特別な存在だ」

 涼しい顔で受け流し、津也は立ちあがる。
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