空の神衣
「肉があったら、手っ取り早く食えるからね」

「栄養、偏っちゃうよ」

 言いながら闇珠は、肉と少しはある野菜を俎板に出す。

「♪~♪~♪♪~」

 ハミングしながら、食材を切り分ける。

「へえ、上手いもんだ」

 横で見ていた津也は感嘆する。

「いいお嫁さんになれるな」

 冗談まじりに言うと、

「…それは人間の話じゃない」

 さっきまで弾んでいた闇珠の声が、急に暗くなる。

 手を止めると、うつ向いたまま続ける。

「忘れないで。あなたは最後の一人になるまで、戦い続けなければならないことを」
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