ちびねこ物語
茶パツの事情
『 茶 パ ツ の 事 情 』


「宝物をみせてあげるよ」

茶パツはそういいながら、部屋の奥のク

ローゼットの、さらに奥の方から、何か

を引っ張り出してきた。


それは一冊の古いアルバムだった。

なんどもなんども開いたようで、表紙は少

しくたびれている。


「ここに引っ越してくる前はね、こんな

 トコロに住んでいたんだ」


板の間の廊下の縁側で、日焼けした少女

が笑っている。その隣にはエプロンをつ

けたママ。二人ともかなり若いが、茶パ

ツの面影はそのままだ。


「この頃は、部屋もトイレも狭い狭い。

 一生懸命隠れたって、誰がどこにいる

 のかなんて、一目瞭然なんだもん」


泣いていても、笑っていても、

すぐにパパやママにもバレちゃって恥ず

かしかった。

でも、誰かがいつも家にいるっていい

じゃない?今はちびがいてくれるからほ

んとうれしいんだ。ほんとうに。。。


今の家ができたときは、飛びあがるほど


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