風船

膨らむ


「奈々っ!!」

あたしを見つけるなり嬉しそうに駆け寄ってくる裕馬。

裕馬が転入してきてから1ヶ月がたった。

「どーしたの?」

「あのなっ、俺レギュラーになったんだ!!」

にこにこと話す彼。

「やったじゃん!!おめでと〜!!」

あたしは自分のことのように喜んだ。

裕馬は転入してきてからサッカー部に入った。

入ったばっかなのにレギュラー取るなんて…すごい、かっこいい。

「奈々に1番に伝えたかったんだ!!」

満面の笑みで言う彼。

可愛い…可愛すぎる…。

もうあたしは裕馬にベタ惚れだった。

まっ、所詮叶わない恋だろうけど。
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