先生、ずっと愛してる。
せつない両想い
「先生…帰らないで…」




気付いたらそう言っていた。




どうしよう…軽い女だって思ってるよね?




私はただ、もう少し先生と一緒にいたいだけ…。




「んー…さすがにそれはマズイだろう?」




だよね…。分かってる事なのに何言ってるんだろう…。




かなり大胆な事言っちゃってるし…。




先生が困るだけじゃん。




「ちょっと言ってみただけです」




「びっくりさせるなよ。家庭訪問の時は、もう少し長く居れるようにするから」




「先生、1つ聞いてもいいですか?」




「ん? 何?」




「先生、彼女いないって言いましたよね?」




「あぁ…言ったけど?」




「じゃあ…昨日、先生が言ってた『彼女』って誰の事ですか?」




実は1番気になってたんだ。




彼女がいなくても好きな人がいるんじゃないかって…。




『一生大事にしたい人』




想ってる人がいないと言えるわけないよ…。




「上原が卒業したら教えてやるよ」




それって…今は教えられないって事?




学校の中にいるの?




私の知ってる人だったらイヤだな…。




どうせなら知らない人がいい。




どうか…生徒ではありませんように。




でも先生…どうして私にキスしたの?




その事が頭から離れないよ。
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