幸せにしてやる

「ずるいよ、ずるいよ」

「えっ…」

「光樹君は優しい、けどずるい」

杏ちゃんは涙の溜まった目で俺を見上げた。

不覚にもどきっとする。

「あたしね…」

と言って彼女は口をつぐむ。

「これ以上はまだ言わない」

なんとなく分かっていた。

まだ言われなかったことに俺はちょっとほっとした。

気持ち、返せないから…
< 25 / 27 >

この作品をシェア

pagetop