スリーズ・キーノート
槇都宗真・篇

母さんと二人で暮らしをしていて、別に不自由だと思った事はない。
無理矢理探せと言われたら、学校で教師に「お前は父親がいないからな。大変だな」とわざわざ言われた事か。そんなもんだ。

だから15歳の今になるまで、困った事なんか無かった。いない父親に対しても怒りとかなんかなかったしさ。父親の顔すら知らないのに怒りなんて浮かばないよ。
でもある日、平々凡々だと思ってた自分の日常に、介入者が来るとは思っていなかった。
しかも、それが父親だとは。




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