スリーズ・キーノート

男性不信にならない方がおかしい。

『そんな母さんに、どうやって……?』
……言いたくないんだけど、僕は人が好きじゃなくてね。友達もいなかった。
学校で他の人とテレビやゲームの話をしてるより、1人で本読んでる方がよっぽど有意義。
……そんなつまらない人間だった。


彼女と出会った日、僕は学校に行かず公園でぼんやりとしていてね。
座ったベンチの端と端に、僕等は並んだ。彼女も僕がベンチに座った途端、少しだけ更に端に寄った。
いくら距離が離れているとはいえ、男が怖かったんだろう。だがその頃の僕がそんな事解るわけもなく、少しだけ不快になりながらいつも読んでた本を開いた。
……天気が良くて、寝てしまいそうな日だったよ。
彼女は何をするわけでもなく、座った目で下を向いていた……。
『大丈夫だったんですか、それ。』

ダメだろうね。

それから少し時間が立ち、彼女は自販機で飲み物を買ってきたらしい。それから、その缶の蓋を開けた時……手が滑ったのか、缶は中身を出しながら彼女の膝とベンチを転がり、地面に落ちた。
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