スリーズ・キーノート

沢山の疑問が、今まで解らなかった分溢れ出てくる。母さんの過去を知ったら、全部解けるのだろうか。


30分程自転車を走らせた所に、その豪邸はある。洋式の鉄格子で出来た門。その奥に広がる長い屋敷までの道。

これを見る度、ああ、本当に社長なのかと感じるけど、当の本人を見ると嘘なんじゃないかと思ってしまう。それ程のギャップだ。
この豪邸、何分自転車を走らせたら一周出来るのだろう。やってみたいけど、今はそれ所じゃないんだ。
僕は門の横にある、小さなインターホンを押した。間抜けな音の後、女の人の声が聞こえてくる。この声は母さんの妹ではない。お手伝いさんかな。

おじさんに会いに来た甥です、とぎこちなく伝えると向こうは暫く黙り、そして言った。
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