スリーズ・キーノート



「……あ?」
唐突に来たメールは、同じクラスの槇都黎(マキト・レイ)からだった。
メールの内容は、こっちにイチさんが来ていないか、来ていたら私の家に来てと言って欲しい、との事だ。
まったくもって面倒臭え。何で俺がこんな事を。
そもそも、レイとはそんなに仲がいいって訳でもない。ただ、レイの姉とイチさんが仲がいいからとか、遠すぎる縁での繋がりだった。
イチさん、は年上の数いる遊び相手の一人。俺はあんまり学校が好きな奴じゃないから、入学から今まで、学校が始まる朝から終わる夕までまともに出た事がない。

親とも仲が良くないし、居場所はない。だから、暇潰し出来る所なら、俺がいてもいい場所なら、どこでもいい。

ぼんやりと歩く街中でさえ、許されるなら歩き続けたいと思ってる。
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