SAKURA

嘘付き






1日、生きた気がしなかった。


昨日に引き続き、授業は上の空。

落ち着いたら、授業のノートを見せてもらわなければ。



今日からは、和也クンが教えてくれるかわからないもん。


返事次第…だよね?






和也クン、もぉ来てるかな?


放課後が近づくにつれて高鳴る鼓動はピークに達し、体育館裏に行く前に落ち着くため、遠回りしてテニスコート側から歩いて来たのだ。



すぐそこの校舎の角を曲がれば、体育館裏に出る。



そこにはきっと、和也クンが待っていてくれるはずだ。




深い深呼吸をして、気持ちを落ち着けた。



もし、まだ来ていなかったら、ここで待とう。


そぉ思い、そっと体を乗り出した。




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